【第二話:軟石の故郷】

 石山より国道453号線(旧道道支笏湖線)を南に約30km、車で約30分走るとそこには面積約78ku・周囲約42km・最大深度360mで、秋田県の田沢湖に次ぐ国内2番目の深さを持ち、四季折々の表情を私たちに見せてくれる支笏湖が、湖面標高248mの高さ(注1)に横たわっています。


四季折々の風景美を見せる支笏湖

 透明度は20数メートルと澄んだ湖水は、平成7年度の日本一水のきれいな湖に輝きました。 また、支笏湖は厳冬期でも湖面が凍結しない、国内最北の不凍湖としても知られていますが、平成13年(2001)2月から同年の4月にかけて、25年ぶりに全面氷結し、八丈島とほぼ同じ面積が氷の平原となりました。


25年ぶりの全面氷結

  この風景は感動的で、丸駒温泉の湯船に浸かって見た静寂と、レストランでこの風景を見ながら飲んだ風呂上りの地ビールの味は、今でも忘れられないものとなりました。

 さて、この支笏湖は今から4万年前
(注2)に、この場所が大噴火してできたカルデラ湖です。その時、高温の水蒸気やガスを含んだ火山灰が流動化し火砕流となり、石山周辺にも流れてきて、冷え固まったものが「溶結凝灰岩」という石山周辺で見られる「札幌軟石」です。

(注1):石山の標高は約100m
(注2):地球科学55巻(2001年)支笏火山噴出層年代の再検討


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