【第二十七話:軟石の建物A】


★日本キリスト教団札幌教会
(札幌市中央区北1条東1丁目)

 札幌市中央区北1条東1丁目の創成川に面しビルに囲まれた場所に、ヨーロッパの中世を思わせる教会が建っています。
 正面には丸いバラ窓やロマネスク風のアーチ状窓が付けられ、横には八角形の尖塔が設けられています。あまり大きな建物ではありませんが、札幌軟石の特徴である石の軟らかさと自然を感じさせ、おだやかな佇まいを見せています。発展した札幌の街中で、そこだけポツンと時代が変わらずに残されています。
 この教会は明治22年(1889)に木造の礼拝堂が建てられていましたが、火災によるもらい火で焼失し、明治37年(1904)に軟石を使用して再建され以来百年間、風雪に耐えてきましたが、十数年前から老朽化が進み、取り壊しの話もありました。しかし、同教会の牧師や信者さんの希望により調査・補修工事が行われ、調査の結果、今後50年は大丈夫と太鼓判が押された建物です。


★北1条教会司祭館
(札幌市中央区北1条東6丁目)

 札幌市中央区北1条東6丁目のサッポロファクトリー近くの北1条教会の敷地内にある司祭館は、歴史を紐解くと明治14年(1881)にフランス人のフォーリー神父が中央区南1条西3丁目に仮聖堂を建設し、札幌初のカトリック教会となったことで知られています。
 その後、現在の場所に明治31年(1898)、フランス人のラフォン神父が自ら設計したと言われる聖堂が軟石造で建てられ、大正5年(1916)に現在の聖堂が横に建てられたことで、この建物は司祭館となり現在に至っています。


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