【第三十四話:軟石の建物H】


★ひばりが丘団地内の石造りサイロ(旧馬場農場サイロ)
(札幌市厚別区厚別中央1条3丁目7)

 厚別区のひばりが丘団地の中ほどに大きなサイロが目を引きます。
 これは昭和2年(1927)に馬場和一郎がこの周辺一帯に約60ヘクタールの大農場を開設した当時に建てられたもので、直径6.15m・高さ9mあります。
 昭和17年(1942)頃、旧内務省の所有となり、その後、旧国鉄の所有に変わり昭和33年(1958)には札幌市が購入し、翌年から「ひばりが丘団地」の造成が始まって現在に至っています。

ひばりが丘団地サイロ
(旧馬場農場)
 サイロは団地が完成する昭和41年(1966)まで使用されていました。このサイロは地区の歴史的シンボルとして親しまれ、団地が出来てからも地区の公園の中にランドマークとして大切に保存されています。


★八紘学園栗林記念資料館(旧吉田農場畜舎サイロ)
(札幌市豊平区月寒東1条13丁目3)

 菖蒲園として知られている北海道農業専門学校の八紘学園敷地内に建っているサイロは、元は1基だったものを昭和18年(1943)頃、2基に増築したものです。
 軟石造の大型サイロが並んで建っている様子は、牧畜舎と一体となり、当時の農場の雰囲気を伝え棟地区の歴史を感じさせる貴重な建物となっています。

八紘学園栗林記念資料館
(旧吉田農場)
 この地区はかつて吉田農場の広大な敷地であり、農場主「吉田善太郎」は明治中ごろから月寒・清田・北野・大谷地一帯に農場を経営し、吉田水路の開削や兵営用地の寄付など旧豊平町の開拓功労者でもあります。
 昭和8年(1933)に八紘学園創始者の栗林元二郎が購入したものです。


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