【第三十七話:軟石の公園A】

★石山緑地 南ブロック


 この写真は昭和30年頃の石山緑地南ブロック・道路・駐車場・トイレ方向を撮影したものです。現在のように国道453号につながる道は無く、人々は切羽の中を通っていました。

 南ブロックは4つのブロックに分かれていて、計画段階から参加した彫刻家集団「CINQ
(サンク)(※)の5人が「エントランスゾーン」「沈黙の森」「ネガティブマウンド」「午後の丘」に分けて、それぞれのテーマを持たせて造っています。

 一番奥にある「午後の丘」は、立方体の石が穴から落ちたかのように遠近法を使って配置されています。

午後の丘

 札幌市の観光ポスターにも採用された「ネガティブマウンド」は、風化による崖と人が関わった切羽とを四万年の歳月を強調するため、掘り下げた部分を設け、コロシアムのイメージにしています。
 ネガティブマウンドの後方にある軟石の尖塔は、軟石にならなかった火山灰等が残され風雨で削られたもので、今では石山緑地のシンボルとなっています。

ネガティブマウンド

 散策路の「沈黙の森&赤い空の箱」は、白樺の白と芝生の緑それに空の青に真っ赤なジャングルジムを配し、見る位置により背景とのコントラストが面白い場所となっています。

沈黙の森&赤い空の箱

 入口にある「エントランスゾーン」には螺旋の塔と螺旋形の浅井水路を設けていて、また石と鉄で造られた遊具が異次元の世界に入った感覚を与えます。夏になると、子ども達の水遊びの歓声が響きます。
 
エントランスゾーン

 この辺りは、軟石の採掘が最も盛んに行われた場所であり昭和45年(1970)頃まで採掘が行われていました。
 公園は札幌市都市景観賞を受賞しました。

※CINQ(サンク)とはフランス語の「5」の意味で、国松明日香・永野幸一・松隈康夫・丸山隆(故人)・山谷圭司の5人の彫刻家集団です。


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