【第四話:硬石山の不思議】

 さて、第三話でお話し致しましたように、石山の軟石は溶結凝灰岩の別名です。
 噴火により噴出される火山灰には、空高く吹き飛ばされ地面に降り堆積するタイプと、火砕流のように地面を這うように流れて来て堆積するタイプがあります。雲仙普賢岳の噴火はこの後者に属します。支笏噴火も後者の火砕流として大量に噴出したため、四万年前の地表面や低地それに谷を覆い尽くして石山まで流れて着ましたが、二百万年以前の造山活動で出来た硬石山や五百万年前の海底火山でできた藻南公園にある崖(山)等でせき止められ、自らの熱と重さにより圧縮され気泡を失い、火山ガラス・軽石・火山灰等が結合し合って再結晶され軟石ができました。


支笏噴火

 このように、石山の軟石は火山灰が降り積もってできたものではなく、支笏噴火から流れて来て固まった岩石です。だから硬石山には火山灰質の岩石が無いことが理解できます。


石山緑地から見た硬石山

 その後、一旦火砕流によりせき止められた豊平川の水流は、軟石を侵食していきました。昭和25年(1950)頃までは豊平川に軟石を見ることができました。

 石山の地形は二千万年前から始まり、二百万年前まで続いた造山活動や五百万年前の海底火山、それに札幌軟石を生成した四万年前の支笏火砕流など、石山の地層はロマンあふれる場所です。


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